【結論】2トントラック積み放題は、「安く見えるけれど損をしやすいプラン」です。
- 同じ「2トントラック」でも、積載量は最大4.3倍、積める量(立米)は最大6.5倍も違う。
- 中間処理場の処分費用は、2020年と比べて品目によっては最大6.8倍まで高騰している。
- 「思ったより積めなかった」「追加料金だらけだった」という相談が、ここ数年で一気に増えている。
- ドクターエコでは、見積もり時にトラックの種類・立米量・処分費用をすべて見える化し、2トンアルミバンロングを基準に最適なトラックを提案している。
この記事を読めば、「2トントラック積み放題」のカラクリと、残置物撤去・不用品回収で損をしない依頼方法が、具体的なイメージとともに分かるようになります。
この業界に長くいると、「2トントラック積み放題!」というプランをよく見かけます。
一見するとお得そうですが、実は2トントラックには10種類(実務でよく使うのは主に6種類)あり、「2トンです」と一言で言われても、
積載量は4.3倍、
積める量(立米)にいたっては6.5倍も違う
ことがあります。
それにくわえて、中間処理場の処分費用は2020年と比べて最大6.8倍まで高騰しており、昔の感覚のまま「積み放題なら安いはず」と申し込んでしまうと、イメージとまったく違う金額になってしまうケースも増えています。
問い合わせから作業当日まで:よくある「積み放題で失敗する」流れ
まずは、実際によくあるケースを、少し臨場感を持ってイメージしてみてください。
年末前。不動産の売却が決まり、「家の中を一気に片付けたい」というご相談でお電話をいただきました。
お客様「ネットで見た2トントラック積み放題、3万円くらいでいけますか?」
スタッフ「間取りは3DKとのことでしたので、念のため現地で立米(体積)を確認させてください」
訪問してみると、廊下の奥まで衣類や家具がぎっしり。リビングだけ見ると「そんなに多くないかな?」と感じますが、押し入れや納戸の中まで確認していくと、合計のゴミ量は明らかに2トン平ボディーショートの積み放題では足りません。
トラックが到着し、積み込みが始まると…
- 「あれ?思っていたほど積み込めない…」
- 「これではトラックが何台あっても足りない…」
- 「積みきれない分は追加料金ですと言われてしまった…」
と、作業を始めてから高額な追加料金の話になることも少なくありません。さらに、コンパネで囲った平ボディーに山積みにされると、
「まるで夜逃げのような積み方で、近所に見られるのが恥ずかしい…」
と、精神的なストレスにもつながります。
こうした失敗を防ぐために、ドクターエコでは、荷物が少ない現場でも2トンアルミバンロングトラックを基本車両として採用しています。
その理由は、単純に「たくさん積めるから」だけではありません。積載量・価格・見た目(近所への配慮)の3つのバランスを考えたときに、一番トラブルが少なく、最終的な支払い金額も抑えやすいからです。
ここからは、1万6,000件以上の実績をもつドクターエコが、残置物撤去や不用品回収でよく使われる2トントラック6種類を、メリット・デメリットと「向いている現場」と合わせて解説します。
実はこんなにある、2トントラック6種類

「2トントラックは3畳分の荷物が積める」という言い方を耳にしたことがあるかもしれません。
しかし、残置物撤去や不用品回収で実際によく使われる2トントラックには、
- 平ボディー(よく見るオープンな荷台のトラック)
- アルミバン(引っ越しでよく使われる箱型のトラック)
の2種類があり、それぞれに
- ショート
- ロング
- ワイドロング
とサイズが分かれるため、合計で6種類のバリエーションがあります。
そして、もっと驚かれるのは、「3畳分」しか積めないトラックもあれば、「13畳分」まで積めるトラックもあるということです。
※ワイドロングは現在は生産終了しているため、ここでは詳細を省きます。ダンプカー・ユニック車(クレーン付き)・冷蔵冷凍車なども含めると、2トントラックは合計10種類ほど存在します。

さらに、上の写真のように、平ボディーの荷台をコンパネで囲って荷物量を増やす方法もよく使われています。
つまり実務では、次の6種類が残置物撤去・不用品回収でよく使われる2トントラックです。
- 平ボディー標準(ショート)
- 平ボディー標準コンパネあり(ショート)
- 平ボディーロング
- 平ボディーロング・コンパネあり
- アルミバン標準(ショート)
- アルミバンロング
タイトルにもある通り、同じ「2トン」でも積める量は最大で6.5倍も違います。
しかも、トラックの全長が変わることで「そもそも家の前まで入れるかどうか」も変わります。大きなトラックの方が安く済むのに、「道が狭くて入れない」という理由で人件費が跳ね上がることもあるのです。
ここからは、それぞれのトラックの「積める量・料金相場・メリット・デメリット」を順番に見ていきましょう。
平ボディー2トントラック:荷物量3〜10㎥

まずは、もっとも一般的な「平ボディー」の2トントラックです。街中でもよく見かけるタイプで、荷台がむき出しになっているトラックになります。
この平ボディーだけでも、荷物量は3〜10㎥と3倍以上の開きがあります。それぞれのタイプと相場感を見ていきます。
平ボディー標準(ショート):荷物量3㎥

| 荷物量(最大) | 3㎥ |
| 畳換算量(最大) | 3畳分 |
| 部屋のサイズ(目安) | 1R・1K程度 |
| 作業人数 | 1〜2人 |
| 作業時間 | 約1時間 |
| 価格相場(積み放題) | 30,000〜39,000円 |
ネットでよく見かける「格安!2トントラック積み放題・3万円〜」の多くは、この平ボディーショートが使われています。
小型で小回りが利くため、3m未満の路地でも運転しやすく、運転に慣れていないスタッフでも取り回しがしやすいのがメリットです。
一方で、「思っていたほど積めない」のが最大のデメリットです。家具や家電が多い現場では、少し量が増えるだけで積み切れなくなり、
- トラックをもう1台追加(=料金も倍増)
- どうしても入りきらない分だけ、別日に追加回収
といった展開になりやすくなります。「この1台で必ず積み切れる」という確信がない限り、安さだけで選ぶのはおすすめできません。
平ボディー標準(ショート)コンパネあり:荷物量8㎥

| 荷物量(最大) | 8㎥ |
| 畳換算量(最大) | 8畳分 |
| 部屋のサイズ(目安) | 3DK・3LDK |
| 作業人数 | 4人前後 |
| 作業時間 | 約1時間 |
| 価格相場(積み放題) | 80,000〜89,000円 |
平ボディーショートでも、荷台の周りをコンパネで囲うことで8㎥(約8畳分)まで積載量を増やすことができます。3万円の積み放題プランと比べると、約3倍近い荷物が積める計算です。
ただし、積んでいる不用品が外から丸見えになる・見栄えがあまりよくないというデメリットがあります。
「できれば近所の人には知られたくない」「売却前の物件なので、変な噂を立てられたくない」という場合は、コンパネで囲った平ボディーより、後ほど紹介するアルミバンを選んだ方が安心です。
平ボディーロング:荷物量5㎥

| 荷物量(最大) | 5㎥ |
| 畳換算量(最大) | 5畳分 |
| 部屋のサイズ(目安) | 1DK・2K |
| 作業人数 | 2人 |
| 作業時間 | 約1時間 |
| 価格相場(積み放題) | 50,000〜65,000円 |
荷物量は5㎥と、ショートトラックの約2倍弱まで積むことができます。1〜2人暮らしで、家具家電を含めてある程度の量がある場合に使われやすいサイズです。
ただし、積める高さはアルミバンやコンパネ付きトラックには及ばず、「家具類はそこそこあるけれど、見た目も気にしたい」という現場とは相性がよくありません。
また、ロングトラックはショートトラックと比べて全長が約1.4m長くなるため、狭い路地での取り回しには熟練ドライバーの技術が必須です。道幅や曲がり角によっては、物件のすぐ近くまで寄せられないこともあります。
平ボディーロング:コンパネあり:荷物量10㎥

| 荷物量(最大) | 10㎥ |
| 畳換算量(最大) | 10畳分 |
| 部屋のサイズ(目安) | 4DK・4LDK |
| 作業人数 | 4人 |
| 作業時間 | 約1時間 |
| 価格相場(積み放題) | 100,000〜130,000円 |
平ボディーロングにコンパネを付けると、荷物量は一気に10㎥まで増え、アルミバンにも匹敵するボリュームを積めるようになります。
料金を抑えられるため魅力的ではありますが、やはり積んでいる様子の見栄えがあまりよくないのが最大のネックです。
「見栄えは気にしないから、とにかく積み切りたい」という方には向いていますが、近所の目が気になる・売却予定の物件・賃貸退去時などにはあまりおすすめできません。
アルミバン2トントラック:荷物量11〜13㎥

続いて、引っ越し業者や宅配業者がよく使っているアルミバンです。箱型の荷室になっており、外から積み荷が見えないタイプのトラックです。
アルミバンの最大のメリットは、
- 荷物を最大限まで積める(高さまできっちり使える)
- 見栄えがよく、近所からの目線を集めにくい
- 雨・日差しから荷物を守ることができる
という点です。「引っ越しのようにきれいに片付けたい」「買い取り品を良い状態のまま運びたい」という現場と相性が抜群です。
アルミバンショート(標準):荷物量11㎥

| 荷物量(最大) | 11㎥ |
| 畳換算量(最大) | 11畳分 |
| 部屋のサイズ(目安) | 4DK・4LDK |
| 作業人数 | 5人前後 |
| 作業時間 | 約1時間 |
| 価格相場(積み放題) | 110,000〜143,000円 |
アルミバンショートでも、荷物は11㎥(11畳分)と、平ボディーショートの約3倍以上を積むことができます。
もともと箱型のトラックなので、側面や天井が荷物をしっかりと支えてくれます。荷崩れしにくく、隙間を埋めながら効率よく積めるため、「同じ立米数でも実際に積める量が多い」のもポイントです。
デメリットをあえて挙げるとすれば、後述するロングと比べて「あと少し」が積みきれないことがある点です。別の現場と荷物を合わせる場合などは、もう少し容量に余裕のあるロングの方が融通が利きます。
アルミバンロング:荷物量13㎥(ドクターエコ標準車両)

| 荷物量(最大) | 13㎥ |
| 畳換算量(最大) | 13畳分 |
| 部屋のサイズ(目安) | 4DK・4LDK |
| 作業人数 | 5人前後 |
| 作業時間 | 約1時間 |
| 価格相場(積み放題) | 130,000〜169,000円 |
同じ2トントラックでも、平ボディーショートと比べると、このアルミバンロングは積める量が6.5倍にもなります。
大きな家具や家電が多い現場、大きな一軒家まるごとの残置物撤去、ゴミ屋敷の片付けなど、「とにかく一気に片付けたい」というときには、この2トンアルミバンロングがもっとも安心です。
ちなみに、ドクターエコが通常利用している標準車両も、この2トンアルミバンロングトラックです。その理由は、
- 近所の目に配慮しながら、引っ越しのようにきれいな見た目で片付けられる。
- 荷物をたくさん積めるため、複数の現場を組み合わせて料金を抑えやすい。
平ボディーのロングにコンパネを付けたトラックも積載量としては魅力ですが、積み方によっては「あの家、なにかあったのかな…」と勘違いされかねません。
その点、アルミバンロングであれば、外から見えるのは「よくある引っ越しトラック」と同じ見た目。残置物撤去や不用品回収であることを、近所の方に気づかれにくくすることができます。
さらに、アルミバンロングなら、少量の現場をいくつか組み合わせて回収することで、通常よりも費用を半額近くまで抑えられるケースもあります。
実際の事例はこちらで紹介しています。
日程に余裕があれば、2トンアルミバンロングを持っている業者に相談するだけで、トータル費用を大きく下げられることもあるのです。
中間処理場の処分費用は、2020年比で最大6.8倍に
ここ数年で、積み放題プランが「以前ほどお得ではなくなってきた」もう1つの理由が、中間処理場の処分費用の高騰です。
たとえば、2020年当時と比べて、以下のような変化が起こっています。
- 木くず・廃プラスチックなどの単価が数倍にアップ。
- 混合廃棄物(なんでも一緒に積んだもの)の処分単価が最大で6.8倍まで跳ね上がっている。
- 分別が甘いと受け入れてもらえない、または追加料金がかかるケースが増加。
つまり、昔の感覚のまま「2トントラック積み放題◯万円」と価格だけを見ると、
- そもそも積める量が少ないトラックが使われている
- 処分費用の高騰分が、追加料金や人件費として上乗せされている
というリスクがあるのです。
ドクターエコでは、こうした処分費用の変化も含めて、「トラックの種類」「立米(㎥)の目安」「処分費用の内訳」を見える化したうえで見積もりを行っています。
残置物撤去の費用構造については、こちらの記事で4つの指標から詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。
業者に2トントラックを依頼する前に必ず聞きたい「たった1つの質問」

ここまで読んでいただいた方に、見積もり依頼の際にぜひ使ってほしい質問があります。
「どんな2トントラックを使いますか?」
この一言を聞くだけで、この記事で紹介してきた
- 平ボディーショートなのか、コンパネ付きなのか
- ロングなのか、アルミバンなのか
- どのくらいの畳数・立米まで積めるのか
といったイメージを持つことができます。
見た目を気にしないのであれば、平ボディーの2トントラックで格安に済むケースもあります。
しかし、2トンアルミバンロングを持っている会社であれば、他の物件と合わせて回収することで、料金をさらに抑えられる可能性もあります。
「荷物が少ないから、小さいトラックだけで探す」のではなく、大きな2トントラックも含めてトータルコストで検討するのが、今の時代には合理的な選び方といえるでしょう。
2トンロングトラックは家の近くまで入ってこられる?

「うちの前の道路は狭いから、大きいトラックは無理ですよね?」というご相談もよくいただきます。
2トントラックの車幅は最大で約2.2mです。3mの道幅があれば、上の写真のような細い道路でも、熟練ドライバーであれば十分に進入できます。
とはいえ、ドクターエコで2トンアルミバンロングを通常利用している中でも、100件に1件程度は、
- 曲がり角がきつすぎてトラックが曲がれない
- 近隣の駐車車両などで道幅が確保できない
- 近所の事情で家の前に停められない
といった理由で、物件のすぐそばまで寄せられないケースがあります。
このような場合は、トラックを少し離れた場所に停め、台車や人力で運搬する距離と時間が増えるため、人件費や作業時間が余計にかかることになります。
しかし裏を返せば、約99%の現場では、2トンアルミバンロングでも物件近くまで寄せることができるということでもあります。
あとは、
- ドライバーの技術
- 近隣住民の方への声掛けや配慮
- 当日までの事前打ち合わせ
など、業者側の対応力によっても結果が変わってきます。見積もり時には、「道幅や駐車場所も一緒に確認してもらえるか」もチェックしておくと安心です。
【まとめ】2トントラック積み放題で損しないために
ここまでの内容をあらためてまとめると、
- 同じ「2トントラック」でも、積める荷物量は最大6.5倍も違う。
- 中間処理場の処分費用は、2020年と比べて最大6.8倍まで高騰しており、昔の感覚の「積み放題価格」とは大きく乖離している。
- 安い積み放題プランの多くは、小さな平ボディーショートが使われているため、「積みきれずに追加料金」というリスクが高い。
- 見た目や近所への配慮、トータルの料金を考えると、2トンアルミバンロングを持っている業者に相談するのが安心。
2トントラックを使って残置物撤去・不用品回収を依頼する前に、
- どんな2トントラックを使うのか?
- どのくらいの立米(㎥)・畳数まで積めるのか?
- 処分費用はどのくらいかかるのか?
を見積もりの段階で確認しておけば、「思っていたより全然違った…」という失敗はかなり防げます。
ドクターエコでは、
- 見積もり・相談・現地調査はすべて無料
- 2トンアルミバンロングを基準に、最適なトラックと人員を提案
- 荷物量・立米・処分費用をできる限り具体的にご説明
というスタイルで、「家を片付けて、気持ちよく次の一歩を踏み出してもらうこと」を大切にしています。
残置物撤去の費用感や業者選びのポイントについては、以下の記事もあわせて参考にしてください。
2トントラック積み放題のよくある質問
- 2トントラック積み放題は本当にお得ですか?
- いいえ。多くの現場ではお得になりません。理由は、同じ「2トン」でも積める量に差が大きく、積みきれず追加費用になりやすいためです。解体が含まれない場合も多いので注意が必要です。
- 2トントラックにはどれくらいの量のゴミが積めますか?
- 3〜13㎥です。最小と最大で6.5倍違うため、必ず「どの2トンか」を確認しないと誤差が出ます。
- どんな現場が積み放題に向いていますか?
- 荷物量が明確で「1台で確実に積み切れる」現場だけ向いています。内容量が読めない現場では向きません。
- 残置物撤去の処分費用が高いのはなぜですか?
- 処分単価が2020年比で最大6.8倍に上がっているためです。混合廃棄物の受け入れ条件も厳しくなっています。
- 見積もりは本当に無料ですか?
- はい、ドクターエコでは完全無料です。追加料金は、お客様の追加依頼がない限り発生しません。
- 家の前の道が狭くても2トンアルミバンロングで来られますか?
- はい、ほとんどの現場で問題ありません。道幅3mあれば99%の確率で近くまで寄せられます。







