残置物撤去費用は誰が支払う?|賃貸・相続・売却ごとの費用負担と民法改正のポイント

残置物撤去・処分
残置物撤去・処分

「この荷物、自分が片付けないといけないの?」

残置物の相談で、最初に出てくるのはだいたいこの疑問です。

賃貸を退去した人が、家具や家電を残していった。
相続した実家に、親の家財がそのまま残っている。
不動産を売りたいのに、家の中が片付いていない。
競売で取得した物件に、前の所有者の荷物が山のように残っている。

こういう場面、見た瞬間に思いますよね。

「これ、誰が払うの?」
「自分が全部負担するの?」
「相手に請求できないの?」
「そもそも、勝手に処分していいの?」

でも、ここが残置物のややこしいところです。

撤去費用は、ただ「今その家にいる人」が払うわけではありません。
かといって、「前の持ち主が必ず払う」とも言い切れない。

賃貸なのか。
相続なのか。
売却前なのか。
競売物件なのか。

この状況によって、費用を負担する人が変わります。

さらに、契約書の内容、所有者の同意、相続人同士の話し合い。
ここまで絡んでくるので、単純に「この人が払えばいい」とは決めにくいんです。

だから、残置物撤去費用で大事なのは、いきなり金額を見ることではありません。

まず見るべきは、ここです。

  • 誰の物なのか
  • 誰が片付ける義務を負っているのか
  • 費用を誰が出すと決まっているのか
  • 勝手に処分してトラブルにならないか

ここを飛ばして片付けを進めると、あとで揉めます。

「なぜこちらが払うのか」
「勝手に処分された」
「そんな費用は聞いていない」

こうなってからでは、かなり面倒ですよね。

この記事では、残置物撤去費用を誰が支払うのかを、賃貸・相続・売却・競売のケース別に整理します。
あわせて、原状回復義務、民法改正、相続登記義務化、空き家の放置リスクまで、現場で実際に起きやすいトラブルを踏まえて解説します。

まず確認
少量なら自治体、
一部屋分以上・仕分け込みなら業者相談が向いています

1〜5点程度で自分で外まで運び出せるなら、自治体回収の方が費用を抑えやすいです。一部屋分以上・仕分け・梱包・搬出が必要な場合は、不用品回収・残置物撤去として相談する方が現実的です。

以下の3つ、すべて当てはまりますか?
☐ 自分で玄関前・指定場所まで運び出せる
☐ 収集日まで待てる、または車で持ち込みできる
☐ 自治体で回収できる品目だけを処分したい

✅ 全部YESなら → 自治体向き
1〜2点程度
自力搬出
日程に余裕
自治体対象品のみ
❌ 1つでもNO・量が多い → ドクターエコ向き
一部屋分以上
大量片付け貴重品の回収
仕分け・梱包込み
部屋から搬出
退去・売却・解体前

一部屋分以上・仕分け・梱包・搬出込みの場合は、ドクターエコへご相談ください。

ドクターエコ_連絡先_電話番号

まず結論|残置物撤去費用は「誰の物か」「契約内容」「発生場面」で変わる

残置物撤去費用は、基本的にはその物を残した人、または契約上片付ける義務を負う人が負担します。

ただし、これだけでスパッと片付かないのが現場です。

たとえば賃貸物件。
借主が残した荷物なら、借主側の負担になりやすいです。

でも、借主が夜逃げして連絡が取れない場合はどうでしょう。
大家さんが「邪魔だから捨てよう」と判断して、すぐ処分していいのか。

ここは注意が必要です。

相続した実家も同じです。
親の家財なら、相続人が負担するケースが多くなります。

でも、兄弟の一人だけが片付けを進めたらどうなるでしょう。

「そんな費用を払うとは言っていない」
「その荷物は残してほしかった」

こういう話、普通に起きます。

売却物件なら、売主が空にして引き渡すのが一般的です。
とはいえ、「残置物ありのまま売れますよ」と言われることもあります。

でも、それで本当に得なのか。
撤去費用以上に値引きされていないか。
ここは冷静に見た方がいいところです。

競売物件も厄介です。
前の所有者に請求したくなるのは当然です。
でも、実際に回収できるかは別問題。
結局、買受人側で撤去費用を見込んでおかないと進まないことがあります。

まず確認したい3つのこと

  • その残置物は誰の物か
  • 契約書や売買条件で、撤去責任がどう書かれているか
  • 賃貸・相続・売却・競売のどの場面で発生しているか

この3つを整理すると、「誰が払うべきか」が見えやすくなります。

ただし、費用負担を考える前に、もう一つ大切なことがあります。

それは、そもそも勝手に処分してよい物なのかという点です。

人の物や家族の荷物を勝手に処分すると、費用負担とは別にトラブルになることがあります。
勝手に捨ててよいか不安な場合は、先に人の物を勝手に捨てると違法?捨てずに片付ける安全な進め方をご確認ください。

残置物の意味や所有権、処分方法の基本から確認したい方は、残置物とは?読み方・処分方法・所有権・撤去費用までわかりやすく解説も参考になります。

賃貸物件、相続した実家、売却物件、競売物件ごとに、残置物撤去費用を誰が負担することが多いかを整理した比較図
残置物撤去費用は、賃貸・相続・売却・競売などの場面によって負担者が変わります。

【ケース別】残置物撤去費用は誰が払う?一覧表

まずは、全体像を見ておきましょう。

ただし、表を見る前にひとつだけ。

これは「だいたい誰が負担することが多いか」を整理した表です。
実際には、契約書、同意書、相続人同士の話し合い、売買条件、物件の状態によって変わります。

だから、表だけを見て「絶対にこの人が払う」と決めつけないこと。
ここ、けっこう大事です。

ケース 原則の負担者 確認すべきポイント
賃貸物件 借主・連帯保証人・相続人など 借主が残した家具・家電・ゴミは、原則として借主側の責任。ただし、貸主が勝手に処分するとトラブルになる可能性あり。契約書、保証人、相続人、モデル契約条項の有無を確認。
相続物件・実家 相続人 相続した実家の家財は、相続人間で費用負担を話し合う必要あり。相続放棄、相続登記義務化、空き家管理の問題も関係。
売却物件 売主 原則として、売主が空の状態にして引き渡すことが多い。残置物ありの現況渡しも可能だが、撤去費用分の値引き材料になりやすい。
競売物件 実務上は買受人が見込むことが多い 前所有者に請求できる余地があっても、回収できないことがある。残置物撤去費用を見込んで入札する必要あり。

表にすると、少し分かった気になります。

でも、現場ではそんなにきれいに分かれません。

賃貸では、借主と連絡が取れない。
相続では、兄弟のうち誰か一人だけが実家の近くに住んでいて、片付けを押し付けられる。
売却では、「残置物ありでも売れますよ」と言われたものの、結局その分だけ安く買われる。
競売では、前所有者に請求できると言われても、実際には回収できない。

こういうことが起きます。

だから、残置物撤去費用は金額だけ見ても不十分です。

誰の物か。誰が片付けるのか。誰が払うのか。

この3つを一緒に確認する必要があります。

残っている荷物を勝手に処分する前に、所有者、本人の同意、相続人や関係者、契約内容を確認し、一時保管や専門家相談を検討する流れを示した図
費用負担だけでなく、勝手に処分してよい物かも先に確認しましょう。

賃貸物件の残置物撤去費用は誰が払う?

賃貸物件では、借主が持ち込んだ家具や家電、ゴミを残して退去した場合、原則として借主側の負担になることが多いです。

冷蔵庫、洗濯機、ベッド、マットレス、衣装ケース、布団、食器、ゴミ袋。
これらは、入居者が生活のために持ち込んだ物です。

だから、退去時には持ち出すか、処分してから部屋を明け渡すのが基本です。

でも、現実にはそうならないことがあります。

「退去日までに片付けきれなかった」
「粗大ごみの予約が取れなかった」
「引っ越し先に持っていけなかった」
「夜逃げのような形で出ていった」
「入居者が亡くなり、荷物がそのまま残った」

こうなると、大家さんや管理会社は困ります。

次の入居者を募集したい。
部屋を原状回復したい。
でも、荷物があるから工事に入れない。
早く処分したい。

気持ちはよく分かります。

ただし、ここで勝手に捨てるのは危険です。

原則は借主・連帯保証人・相続人に確認する

賃貸物件で残置物が出た場合、まず確認する相手は借主本人です。

借主と連絡が取れるなら、引き取りの意思を確認します。
処分してよいのか。
いつまでに取りに来るのか。
費用負担をどうするのか。

ここを確認せずに処分すると、あとから「勝手に捨てられた」と言われる可能性があります。

「もう退去したのだからいいだろう」
「家賃も払っていないのだから当然だろう」
「どう見てもゴミだから問題ないだろう」

そう思う場面もありますよね。

でも、残された物の中に、本人にとって大切な物が混ざっていることがあります。

古い段ボールの中に書類がある。
引き出しの奥に通帳や印鑑がある。
写真や手紙が残っている。
貴金属やコレクション品が混ざっている。

これを確認せずに処分すると、撤去費用の話どころではなくなります。

借主と連絡が取れない場合は、連帯保証人、緊急連絡先、相続人などに確認します。
電話だけで済ませるのではなく、メール、LINE、SMS、書面など、あとから確認できる記録を残すことが大切です。

賃貸退去日が迫っていて、残置物の量が多い場合は、費用負担だけでなく作業日程も早めに確認しておく必要があります。
退去前の片付け費用や注意点は、賃貸退去時の残置物撤去費用の相場と注意点で詳しく解説しています。

夜逃げ・死亡後の残置物は勝手に処分しない

賃貸物件で特に難しいのが、夜逃げや入居者死亡後の残置物です。

これは大家さん側からすると、かなりつらい状況です。

家賃は入ってこない。
室内には荷物が残っている。
次の募集もできない。
原状回復工事も始められない。

「早く片付けたい」と思うのは当然です。

でも、だからといって、貸主が自分の判断だけで処分するとリスクがあります。

残置物が明らかに不要そうに見えても、それが借主の所有物である可能性があるからです。

特に、夜逃げのように見えるケースでも、本人が病気、入院、トラブル、住所変更などで連絡できないだけの可能性もあります。

入居者死亡後であれば、相続人や関係者の確認が必要になることもあります。

このようなケースでは、契約内容、保証人、相続人、専門家への相談を含めて慎重に進める必要があります。

撤去業者に依頼すれば、何でもすぐ処分できるわけではありません。

ドクターエコでも、所有者の同意や法的整理がない物を、勝手に処分することはできません。
できるのは、現場の状況確認、仕分け、一時保管を前提にした整理、撤去作業の相談です。

法的判断が必要な場合は、弁護士や司法書士などの専門家に確認してください。

賃貸オーナー向け|モデル契約条項で事前に備える

では、大家さんや管理会社は、残置物トラブルを防ぐために何ができるのでしょうか。

一つの方法が、賃貸借契約の段階で備えておくことです。

単身高齢者の入居が増える中で、入居者が亡くなった後の残置物処理は大きな課題になっています。

相続人がすぐに見つからない。
保証人が動けない。
室内には家財が残っている。
貸主は部屋を空けたいが、勝手に処分できない。

これ、かなり現実的な悩みです。

このような問題に備えるため、国土交通省と法務省は残置物の処理等に関するモデル契約条項を示しています。

これは、入居者が亡くなった後に、賃貸借契約の解除や残置物の処理を誰に委任するか、あらかじめ決めておく考え方です。

もちろん、これを入れたから何でも自由に処分できるという話ではありません。
ただ、契約時点で備えておくことで、万が一のときに動きやすくなります。

賃貸オーナーにとって残置物の問題は、撤去費用だけではありません。

部屋が空かない期間の家賃損失。
原状回復工事の遅れ。
次の入居者募集の遅れ。
相続人や保証人との連絡負担。

こうした見えないコストも発生します。

だからこそ、賃貸物件では「残置物が出たあとに誰が払うか」だけでなく、残置物が出る前にどう備えるかも重要です。

相続した実家の残置物撤去費用は誰が払う?

相続した実家の残置物撤去費用は、原則として相続人が話し合って負担することになります。

ただ、これも言葉で言うほど簡単ではありません。

実家の片付けでは、費用だけでなく、感情も絡みます。

「自分は遠方に住んでいるから片付けに行けない」
「実家の近くにいる兄弟がやればいい」
「売却するなら売却代金から出せばいい」
「親の物を勝手に捨てないでほしい」
「相続放棄するから自分は関係ない」

こうした声が出ると、片付けは止まります。

しかも、実家の中には、単なる不用品だけが残っているわけではありません。

通帳、印鑑、権利書、保険証券、写真、アルバム、手紙、仏具、貴金属。
必要な物、残したい物、確認すべき物が混ざっています。

だから、相続した実家の残置物撤去では、いきなり「誰が払うか」だけを決めようとすると揉めやすいです。

まずは、何が残っているのか。
どのくらい費用がかかるのか。
誰が何を確認するのか。

ここから整理した方が、話が進みやすくなりますよね。

原則は相続人が負担する

相続した実家に残っている家財は、相続人が管理・整理する対象になることがあります。

家を売却する。
解体する。
賃貸に出す。
そのまま保有する。

どの選択をするにしても、家の中に大量の物が残っていれば、どこかのタイミングで片付けが必要になります。

その費用をどう負担するかは、相続人間で話し合うのが基本です。

  • 相続人全員で均等に負担する
  • 不動産を相続する人が負担する
  • 売却代金から撤去費用を差し引く
  • 代表者が立て替えて、あとから精算する

どれが正解というより、相続人全員が納得できる形にすることが大切です。

口頭だけで進めると、あとから揉めます。

「そんな金額になるとは聞いていない」
「自分は処分に同意していない」
「その荷物は残してほしかった」
「勝手に業者を呼んだ」

こうなると、片付けの問題が家族関係の問題に変わってしまいます。

特に戸建て一軒家では、撤去費用が数十万円単位になることがあります。
押入れ、納戸、物置、庭まわりまで含めると、想像以上の物量になるからです。

だから、最初に見積もりを取り、費用感を相続人全員で共有しておくことが重要です。

戸建て一軒家の具体的な見積もり実例は、戸建て一軒家の残置物撤去費用の相場と12件の見積もり実例で詳しく紹介しています。

相続放棄した場合でも注意が必要

「相続放棄をすれば、実家の片付け費用は一切関係ない」

そう考える方もいます。

たしかに、相続放棄をした場合、相続財産を引き継がないことになります。
ただし、実際には状況によって注意が必要です。

たとえば、実家に住んでいた。
鍵を管理していた。
家財を一部持ち出した。
建物や荷物を事実上管理していた。

こういう場合、すぐに「自分は完全に無関係」とは言い切れないことがあります。

ここが少しややこしいところです。

相続放棄後の管理責任については、民法940条の改正で「相続放棄の時に相続財産を現に占有している場合」の義務が整理されています。個別の判断が必要な場面もあるため、相続放棄を考えている場合は、残置物撤去を進める前に専門家へ相談した方が安全です。

ドクターエコでは、法律判断はできません。
ただし、現場にどのくらいの物量があるのか、撤去する場合にどれくらいの費用がかかるのか、仕分けや貴重品探索が必要かどうかは確認できます。

相続登記義務化で放置しにくくなった

2024年4月から、相続登記が義務化されました。

これによって、これまでのように「誰も住まないから、とりあえず放置しておこう」が通りにくくなっています。

もちろん、登記と残置物撤去はまったく同じ話ではありません。

でも、相続登記を進めるには、相続人を確認し、遺産分割について話し合う必要があります。
その過程で、実家の残置物撤去費用を誰が負担するのかも問題になりやすいです。

「家は誰が相続するのか」
「売却するのか」
「解体するのか」
「中の荷物は誰が片付けるのか」
「撤去費用はどこから出すのか」

結局、全部つながってくるんです。

相続登記の義務化については、法務省の相続登記の申請義務化に関する案内でも確認できます。実家を相続した場合は、登記の話とあわせて、家財や残置物をどう扱うかも早めに整理しておくと安心です。

実家の中に大量の家財が残っている。
相続人が遠方に住んでいる。
家を売るにも、まず片付けないと内見できない。
解体するにも、家財を撤去しないと工事に入れない。

こうなると、残置物の撤去は避けて通れません。

相続した実家では、登記や売却の話と同時に、家財の片付け費用も早めに見える化しておくことが大切です。

空き家状態で放置すると固定資産税や近隣トラブルのリスク

実家を空き家のまま放置すると、残置物の問題だけでは済まないことがあります。

庭木が伸びる。
窓ガラスが割れる。
室内の家財が劣化する。
害虫や悪臭が発生する。
近隣から苦情が入る。

最初は「そのうち片付けよう」で済んでいた家も、時間が経つほど手を付けにくくなります。

ここが怖いところです。

空き家の管理については、国土交通省の空き家対策に関する情報も参考になります。残置物が多い空き家は、室内だけでなく外回りの管理状態にも影響しやすいため、早めの確認が大切です。

放置期間が長くなると、家の状態も悪くなります。
室内に残っている家具や布団が湿気を吸う。
雨漏りで家財が傷む。
庭の物置や植木鉢、土、ブロックまで処分が必要になる。
近隣対応や作業時間も増える。

つまり、残置物を放置すると、結果的に撤去費用が高くなることがあります。

相続した実家は、気持ちの整理がつくまで時間がかかるものです。
それは当然です。

でも、片付けを先延ばしにすると、費用と手間が増えていくこともあります。
ここは早めに知っておいた方がいいですね。

売却物件の残置物撤去費用は誰が払う?

不動産を売却する場合、残置物撤去費用は原則として売主が負担することが多いです。

買主は通常、家具や家電、生活用品が残った家ではなく、空の状態で引き渡されることを想定しています。

とはいえ、こう思う方もいますよね。

「残置物ありでも売れるなら、そのまま売った方が楽じゃない?」
「片付け費用をかけるより、少し安く売った方が早いのでは?」
「遠方の実家だから、片付けに行くのが大変」

この考えも分かります。

実際、残置物ありで買い取る不動産会社や買取業者もあります。

ただし、ここで注意したいのは、残置物ありで売ると、撤去費用以上に価格が下がることがあるという点です。

原則は売主が空にして引き渡す

売却前の家に残っている家具、家電、布団、食器、衣類、物置の中身などは、売主側で片付けてから引き渡すのが一般的です。

特に、一般の買主に売る場合、室内に物が多いと印象が悪くなります。

部屋の広さが分かりにくい。
床や壁の状態を確認しにくい。
リフォーム費用を想像しにくい。
においや汚れが気になる。

買主側からすると、不安材料が増えるんです。

売却前の残置物撤去は、単なる片付けではありません。
家の印象を整え、買主が判断しやすい状態にするための準備でもあります。

残置物ありの現況渡しは値引き材料になりやすい

「残置物ありでも買ってくれるなら、そのまま売った方が楽では?」

たしかに、そう見えることもあります。

でも、買主側からすると、購入後に撤去費用がかかります。

家財の撤去費用。
家電リサイクル費用。
物置や庭まわりの処分費。
ハウスクリーニング費用。
リフォーム前の片付け費用。

これらを見込んで、売買価格の値引きを求められることがあります。

しかも、買主側は余裕を見て費用を見積もることが多いです。

つまり、売主が自分で片付けるよりも、結果的に大きく値引きされる可能性があるということ。

これは見落としやすいポイントです。

もちろん、売却までの時間がない場合や、遠方で片付けに行けない場合は、残置物ありで相談する選択肢もあります。

ただし、その場合でも、

「撤去費用を差し引かれているのか」
「自分で片付けた方が手元に残る金額が多いのか」
「どこまで残してよい契約なのか」

ここは確認しておきたいところです。

売却前に撤去費用を把握しておく

売却前に残置物撤去費用を把握しておくと、不動産会社や買主との話し合いが進めやすくなります。

たとえば、家財撤去に30万円かかるのか。
60万円かかるのか。
物置や庭まわりまで含めると100万円を超えるのか。

この差は、売却判断に大きく影響します。

見積もりを取っておけば、次のような比較ができます。

  • 自分で片付けてから売る
  • 残置物ありで売る
  • 買取価格から撤去費用を差し引いて考える
  • 解体前に撤去する

売却前の残置物撤去は、早めに金額を把握しておくことが大切です。

売却前に一軒家の中を空にする場合、室内だけでなく、押入れ、納戸、物置、庭まわりまで確認する必要があります。
売却前の費用感を先に把握したい方は、戸建て一軒家の残置物撤去費用の相場と12件の見積もり実例をご確認ください。

競売物件の残置物撤去費用は誰が払う?

競売物件では、残置物撤去費用の扱いがさらに複雑になります。

前所有者の物が残っている場合、理屈の上では前所有者に撤去や費用負担を求めたいところです。

でも、実務ではそう簡単に進まないことがあります。

前所有者と連絡が取れない。
支払い能力がない。
室内に大量の家財が残っている。
占有者がいる。
鍵がない。
書類や貴重品が混ざっている。

こうなると、「誰が払うべきか」だけでは前に進みません。

競売物件を取得する場合は、あらかじめ残置物撤去費用を見込んでおく必要があります。

実務上は買受人が費用を見込んでおく

競売物件では、室内に家具や家電、生活用品がそのまま残っていることがあります。

前所有者が退去していない。
家財が残っている。
物置や庭にも荷物がある。
書類や貴重品が混ざっている。

こうした物をどう扱うかは慎重に判断する必要があります。

競売物件だからといって、すべてをすぐに捨ててよいとは限りません。
所有者や占有者、手続きの状況によって対応が変わります。

法律判断が必要な場合は、弁護士などの専門家に確認してください。

ドクターエコでは、競売物件の法律判断はできません。
ただし、現地確認後の物量把握、仕分け、撤去作業、貴重品の確認についてはご相談いただけます。

原状回復義務と残置物撤去費用の関係

原状回復費用と残置物撤去費用の違いを、通常使用による傷みや修繕費と、借主が残した家具家電やゴミの撤去費用に分けて解説した図
原状回復費用と残置物撤去費用は、同じ退去時の費用でも意味が違います。

賃貸物件では、原状回復義務と残置物撤去費用を混同しやすいです。

原状回復と聞くと、「退去時に全部借主が元通りにしなければならない」と思う方もいます。

でも、実際は少し違います。

通常損耗や経年劣化については、借主がすべて負担するわけではありません。

一方で、借主が持ち込んだ家具・家電・ゴミ・生活用品を残した場合は、通常損耗とは別の問題になります。

つまり、壁紙の日焼けや床の自然な劣化と、借主が置いていった冷蔵庫やゴミ袋は同じではない、ということです。

原状回復の考え方については、国土交通省の原状回復をめぐるトラブルとガイドラインでも整理されています。
ただし、借主が持ち込んだ家具や家電、ゴミを残した場合は、通常損耗とは別に残置物撤去費用として問題になることがあります。

通常損耗と残置物は分けて考える

原状回復では、通常の生活で自然に発生する劣化や損耗は、借主負担にならないケースがあります。

たとえば、家具を置いていた床の軽いへこみや、日差しによる壁紙の変色などです。

一方で、借主が退去時に持ち帰るべき物を残した場合、その撤去費用は借主側の負担として問題になりやすくなります。

冷蔵庫を残した。
洗濯機を残した。
ベッドを置いていった。
袋ごみを大量に残した。
粗大ごみを室内に放置した。

これは通常損耗ではなく、残置物の処分問題です。

ここをごちゃ混ぜにすると、話がややこしくなります。

「原状回復費用なのか」
「残置物撤去費用なのか」
「敷金から差し引けるのか」
「別途請求すべきなのか」

このあたりは、契約書や国土交通省のガイドライン、管理会社の判断も関係してきます。

だから、現場ではまず費用の名目を分けて考えること。
これが大事です。

エアコン・照明・ガスコンロは設備か残置物かを確認する

賃貸で特に揉めやすいのが、エアコン、照明、ガスコンロです。

最初から部屋に付いていたため、設備だと思っていた。
でも契約書では残置物扱いだった。
壊れたときの修理費を誰が払うのか分からない。
退去時に撤去費用が発生するのか分からない。

これ、かなり多いです。

エアコンや照明が設備なのか、前入居者が置いていった残置物なのかは、契約書や重要事項説明書で確認する必要があります。

設備なら貸主側の管理対象になることが多く、残置物なら修理や撤去の扱いが異なることがあります。

入居時・退去時のどちらでも、迷ったら管理会社に確認しましょう。

「このエアコンは設備ですか?残置物ですか?」

この一言を確認するだけでも、後の費用負担トラブルを防ぎやすくなります。

マンションやアパートでは、階段搬出、エレベーター養生、管理会社への確認など、一軒家とは違う注意点もあります。
集合住宅で残置物が多い場合は、アパート・マンションの残置物撤去費用も参考にしてください。

法改正で残置物を放置しにくくなっている

2020年の民法改正、2023年の相続放棄後の管理責任と空き家対策強化、2024年の相続登記義務化を時系列で示した図
相続登記義務化や空き家対策の強化により、残置物を後回しにしにくくなっています。

残置物の問題は、昔よりも後回しにしにくくなっています。

以前なら、「誰も住まないし、とりあえず置いておこう」という選択もありました。

でも今は、空き家管理、相続登記、相続放棄後の管理責任などが関係してきます。

もちろん、法改正があったからといって、すべての残置物をすぐ撤去しなければならないわけではありません。

ただ、「放置しても何も起きない」とは言いにくくなっています。

ここが大きな変化です。

2020年|民法改正と原状回復ルール

2020年の民法改正では、敷金や原状回復に関するルールが明文化されました。

これによって、賃貸退去時の費用負担について、契約書や特約の内容がより重要になっています。

ただし、ここでも大切なのは、通常損耗と残置物を分けて考えることです。

通常の生活で自然に発生した劣化は、借主がすべて負担するものではありません。
一方で、借主が持ち込んだ家具や家電、ゴミを残した場合は、残置物撤去費用として別に問題になります。

2023年|相続放棄後の管理責任

相続放棄をしたからといって、どんな状況でも完全に無関係になるとは限りません。

特に、実家を現に占有している場合や、事実上管理しているような場合は注意が必要です。

「相続放棄したから片付けない」
「鍵を持っているけど関係ない」
「一部の荷物を持ち出したけど、あとは知らない」

こういう状態は、あとから問題になる可能性があります。

相続放棄を検討している場合は、片付けや撤去の前に専門家へ確認する。
ここは急がない方がいい場面です。

2023年|改正空き家対策特別措置法

空き家対策も強化されています。

倒壊の危険がある空き家だけでなく、管理が不十分な空き家も行政指導の対象になる可能性があります。

庭木が伸びている。
窓ガラスが割れている。
室内や敷地に残置物が散乱している。
近隣に迷惑が出ている。

こうした状態が続くと、所有者にとって不利な扱いになることがあります。

つまり、残置物は家の中だけの問題ではありません。
外から見える管理状態にも関係してきます。

2024年|相続登記の義務化

2024年4月から、相続登記が義務化されました。

これにより、相続した不動産を「誰の名義か分からないまま放置する」ことが難しくなっています。

登記の話が進むと、当然ながら実家の扱いも話題になります。

売るのか。
貸すのか。
解体するのか。
そのまま保有するのか。
中の荷物はどうするのか。
撤去費用は誰が払うのか。

結局、残置物の話に戻ってくるんですよね。

だから、法改正を難しく考えすぎる必要はありません。
まずは、家の状態と残置物の量を把握すること。

そこからです。

残置物撤去費用の相場と、費用が高くなる理由

残置物撤去費用が高くなる要因として、物量の多さ、搬出条件、大型家具や家電、庭や物置、仕分けや貴重品探索の必要性を示した図
残置物撤去費用は、物量だけでなく搬出条件や外回りの有無でも大きく変わります。

「誰が払うか」が分かってきたら、次に気になるのは金額です。

残置物撤去費用はいくらかかるのか。
ここが分からないと、相続人同士の話し合いも、不動産売却の判断も進みません。

ただし、費用は間取りだけでは決まりません。

同じ3LDKでも、物が少ない家と、押入れ・納戸・物置までいっぱいの家ではまったく違います。

さらに、搬出条件でも変わります。

  • 階段作業がある
  • トラックを近くに停められない
  • 大型家具が多い
  • 家電リサイクル品が多い
  • 庭や物置にも残置物がある
  • 仕分けや貴重品探索が必要

こうなると、費用は上がりやすくなります。

ざっくりした目安はあっても、最終的には現地確認が必要です。

特に一軒家まるごとの残置物撤去では、室内だけを見ても判断できません。
押入れ、納戸、屋根裏、物置、庭、ベランダ、車庫。

開けてみたら思ったより多かった。
これ、本当にあります。

だから、費用負担で揉めないためにも、早めに見積もりを取ることが大切です。

「だいたい10万円くらいでしょ」と思っていたら、実際は40万円以上だった。
「物は少ない」と聞いていたのに、物置と庭まわりで追加作業が必要だった。

こうなると、誰が払うかでまた揉めます。

一軒家まるごとの具体的な費用感は、実例で見るのが一番分かりやすいです。

詳しくは、戸建て一軒家の残置物撤去費用の相場と12件の見積もり実例をご確認ください。

残置物撤去は、単に安い業者を選べばよい作業ではありません。
所有者の確認、処分方法、作業範囲、追加料金の有無まで確認する必要があります。
依頼前に確認すべきポイントは、失敗しない残置物撤去業者の選び方で詳しくまとめています。

費用負担で揉めないために事前に確認すること

残置物撤去で揉める原因は、金額そのものだけではありません。

「誰が決めたのか」
「誰が同意したのか」
「何をどこまで片付ける話だったのか」

ここが曖昧だと揉めます。

たとえば、相続した実家で長男が業者を呼んだ。
作業後に兄弟へ費用を請求した。

すると、こう言われることがあります。

「そんな高い業者を頼むとは聞いていない」
「自分は処分に同意していない」
「残してほしい物まで捨てられた」
「そもそも自分が払う必要はあるのか」

こうなると、片付けは終わっても、家族間の話は終わりません。

だから、作業前に確認しておきたいことがあります。

作業前に確認したいこと

  • 誰の物を片付けるのか
  • 誰が撤去を手配するのか
  • 費用を誰が支払うのか
  • 相続人や関係者の同意はあるか
  • 残す物、処分する物、確認する物を分けたか
  • 貴重品や重要書類をどう扱うか
  • 見積もり金額を関係者で共有したか
  • 追加費用が発生する条件を確認したか

面倒に見えますよね。

でも、ここを最初にやっておく方が、あとが楽です。

特に実家や相続物件では、「片付けること」よりも「合意を取ること」の方が難しい場合があります。

誰か一人が先走らない。
費用を見える化する。
残す物を確認する。
見積もりを共有する。

これだけで、トラブルはかなり減らせます。

ドクターエコなら貴重品探索・仕分けも対応

残置物撤去は、ただ物を運び出すだけではありません。

特に実家や相続物件では、残置物の中に大切な物が紛れていることがあります。

通帳。
印鑑。
権利書。
保険証券。
現金。
貴金属。
写真。
アルバム。
手紙。
仏具。
相続に関係しそうな書類。

これらを確認せずに処分してしまうと、あとから取り返しがつきません。

「古い紙袋だと思って捨てたら、重要書類だった」
「タンスの奥に現金が入っていた」
「写真や手紙を処分してしまい、家族に怒られた」

こうしたことは、実際に起きます。

だから、ドクターエコでは、現場で確認すべき物を見落とさないよう、仕分けながら作業を進めます。

もちろん、法律判断や相続人同士の合意形成を代行することはできません。
でも、現場で残す物・確認する物・処分する物を分けることはできます。

ただ捨てるのではなく、確認しながら片付ける。

ここが大切です。

特に、売却前・退去前・解体前など期限がある現場では、家を空けるスピードも必要です。
でも、スピードだけを優先して大切な物を捨ててしまったら意味がありません。

早く、でも雑にしない。
片付ける、でも勝手に捨てない。

このバランスが、残置物撤去では重要です。

なお、家族の物や前の住人の荷物を処分する場合は、費用だけでなく「勝手に捨ててよいか」の確認も重要です。
所有者の同意や一時保管の考え方は、人の物を勝手に捨てるリスクと捨てずに片付ける方法でも解説しています。

残置物撤去費用を誰が払うか決まっていない方へ

ドクターエコでは、物量確認・仕分け・貴重品探索・一軒家まるごとの残置物撤去まで対応しています。
まずは、家の中にどれくらい荷物が残っているかを確認するところからご相談ください。

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よくある質問

残置物撤去費用は誰が払いますか?
残置物撤去費用は、原則として残置物を残した人、または契約上片付ける義務を負う人が負担します。賃貸なら借主側、相続物件なら相続人、売却物件なら売主が負担するケースが多いです。ただし、契約内容や合意内容によって変わるため、個別に確認が必要です。
賃貸退去後の残置物処分費は借主負担ですか?
借主が持ち込んだ家具・家電・ゴミを残して退去した場合、借主側の負担になることが多いです。ただし、貸主が勝手に処分するとトラブルになる可能性があります。借主本人、連帯保証人、相続人などへ確認し、記録を残して進めましょう。
夜逃げした入居者の荷物を大家が処分してもいいですか?
勝手に処分するのは避けるべきです。夜逃げのように見えても、荷物は入居者の所有物である可能性があります。保証人や緊急連絡先への連絡、内容証明、専門家相談などを検討してください。
相続した実家の残置物撤去費用は誰が払いますか?
相続した実家の残置物撤去費用は、相続人間で話し合って負担するのが基本です。不動産を相続する人が負担する、売却代金から差し引く、相続人全員で分担するなど、事前に合意しておくと揉めにくくなります。
相続放棄したら片付け費用は払わなくていいですか?
相続放棄をした場合でも、実家を現に占有している、鍵を管理している、家財を一部持ち出したなどの事情があると注意が必要です。相続放棄を検討している場合は、片付け前に弁護士や司法書士へ相談した方が安全です。
売却前の残置物撤去費用は売主負担ですか?
一般的には、売主が空の状態にして引き渡すことが多いです。ただし、残置物ありの現況渡しで売却するケースもあります。その場合、撤去費用を見込んで価格交渉される可能性があります。
残置物ありの現況渡しはできますか?
できます。ただし、買主側が撤去費用や清掃費用を見込むため、売却価格が下がる可能性があります。残した方が得なのか、先に撤去した方が得なのかは、見積もりを取って比較するのがおすすめです。
エアコンが残置物だった場合、撤去費用は誰が払いますか?
エアコンが設備なのか、前入居者の残置物なのかによって扱いが変わります。契約書や重要事項説明書で確認しましょう。設備なら貸主側の管理対象になることが多く、残置物なら修理や撤去の扱いが異なる場合があります。
原状回復費用と残置物撤去費用は違いますか?
違います。通常損耗や経年劣化は原状回復の考え方で判断されますが、借主が持ち込んだ家具・家電・ゴミを残した場合は、残置物撤去費用として別に問題になることがあります。
残置物撤去費用を安くする方法はありますか?
自分たちで必要品を先に分ける、貴重品や書類を探しておく、処分する物を明確にする、複数人で費用負担を話し合っておくと、作業がスムーズになりやすいです。ただし、無理な自己処分や極端に安い業者には注意してください。

まとめ|費用負担は早めに確認し、放置せずに進める

残置物撤去費用は、誰が払うのか分かりにくい問題です。

賃貸なら借主側。
相続なら相続人。
売却なら売主。
競売なら買受人が見込むことが多い。

大まかにはこう整理できます。

でも、現場ではそれだけで終わりません。

借主と連絡が取れない。
相続人同士で意見が割れる。
売却前に片付けるべきか迷う。
残置物ありで売った方がいいのか分からない。
エアコンが設備なのか残置物なのか分からない。

こういう細かいところで、話が止まります。

だから大切なのは、早めに確認することです。

  • 誰の物か
  • 誰が片付けるのか
  • 誰が費用を払うのか
  • 勝手に処分してよい物なのか
  • 見積もりはいくらなのか

ここを整理してから動けば、トラブルはかなり減らせます。

残置物は、放置しても自然には片付きません。
むしろ時間が経つほど、家の状態が悪くなり、費用が増えることもあります。

「まだ大丈夫」と思っているうちに、売却日が近づく。
解体日が決まる。
退去日が迫る。
相続人同士の話がこじれる。

こうなる前に、一度状況を見える化しておくこと。

それが一番安全です。

残置物撤去費用でお困りなら、まずは無料相談から

「誰が払うか決まっていない」「相続人で費用を話し合いたい」「売却前に金額だけでも知りたい」「退去日までに片付けたい」など、今の状況をそのままご相談ください。

ドクターエコでは、残置物撤去の見積もり、仕分け、貴重品探索、一軒家まるごとの片付けまで対応しています。


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この記事の監修者

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