実家や他人の残置物を合法的に処分する4つの方法|勝手に捨てるのは違法【損害賠償・刑事罰リスク】

残置物撤去
残置物撤去

「実家の荷物を勝手に捨ててもいいの?」「他人の家に残った物はどこまで触ってOK?」「放置された荷物を処分したいけど、訴訟や損害賠償が怖い…」

結論として、実家・他人の家に残った物を勝手に処分することは違法になる可能性があります。民法709条(不法行為)・刑法261条(器物損壊)に該当するケースでは、損害賠償や刑事罰が発生することもあります。

では、どうすれば合法的に処分できるのか?

実家・他人の家に残された残置物は、次の「合法的に処分できる4つの方法」のどれかを選ぶ必要があります。

  • ① 本人・家族・相続人の「同意」を得て処分する
  • ② 裁判所の手続きを使って処分する(夜逃げ・音信不通)
  • ③ 一時保管して、法的リスクを避ける
  • ④ 郵送・返還手続きを踏んで処分する

この記事では、それぞれの方法を「どの状況で使えるのか」「何が違法になるのか」「どう進めるのか」まで、専門業者の視点から分かりやすくまとめます。

先に残置物の基本ルール(売却・賃貸・退去・解体の4ケース)を知りたい方は、こちらの記事も参考になります。
▶ 残置物とは?4つのケース別の費用相場と注意点

残置物を勝手に捨てると違法になる理由【損害賠償・刑事罰リスク】

実家でも、家族でも、他人の家でも、本人の所有物を勝手に処分すると次の法律に違反する可能性があります。

  • 民法709条:不法行為(損害賠償)
    勝手に処分して相手に損害が生じた場合、賠償義務が発生します。
  • 刑法261条:器物損壊罪
    「壊す・捨てる」も該当し、家族間でも成立することがあります。
  • 占有権の侵害
    一時的に“支配している状態の物”を勝手に触ると問題になることもあります。

特に多いトラブルは次のケースです。

  • 実家の荷物を親が勝手に捨てた → 子が損害賠償請求(実例多数)
  • 他人の賃貸に残された家具を大家が処分 → 裁判で敗訴した例も
  • 同棲解消時に相手の荷物を捨てた → 器物損壊で告訴されるケース

だからこそ、ここで紹介する4つの方法の中から、状況に合うものを選ぶ必要があります。

残置物を合法的に処分する4つの方法【状況別に解説】

ここから先は、実家・他人の家・賃貸・相続・夜逃げなど、さまざまな状況に応じて選べる「4つの合法的な方法」を紹介します。

① 本人・家族・相続人の同意を得て処分する(最も安全で確実)

実家でも他人の家でも、残置物を合法的に処分するうえで最も安全で確実なのは「本人(または家族・相続人)の同意を得ること」です。

法律上、所有者本人の意思に反して物を捨てると、民法709条(不法行為)や刑法261条(器物損壊)に該当する可能性が大きくなります。逆に言えば、当人の同意があれば、ほぼ全ての物は正しく処分できます。

● 実家の片付けでよくあるケース

高齢の親が施設に入る/退院したばかり/物が増えすぎて危険──そんな状況で「親の荷物を勝手に捨てる」ことは法律上グレーです。まずは、

  • 親本人の意思確認(口頭 OK、できればメモ)
  • 同居家族の確認
  • 兄弟・相続人の合意

をとっておくとトラブル防止になります。

実家片付けに関しては、こちらの記事も参考になります。
▶ 実家の庭を片付けたい時の費用と手順
▶ 実家が物屋敷化した時の片付けと親の説得方法

● 賃貸・他人の家で荷物を残されたケース

「友人・同棲相手が出ていった」「短期滞在の知人が置いていった」などのケースでは、安易に処分するとほぼ確実に損害賠償トラブルになります。

この場合、まずは本人に

  • 引き取り期限(◯日まで)
  • 連絡方法(LINE・SMS・メール)
  • 期限後の扱い(処分もしくは郵送)

を伝え、メッセージで「了解」の反応をもらっておくと安全です。

● 相続が関わる場合(親の家・実家)

親が亡くなった・施設に入ったなどで実家を片付ける場合、所有者が変わるため相続人全員の合意が必要になります。

よくあるトラブルは、

  • 兄弟の一人が勝手に捨ててしまう
  • 価値のある物だけ持ち帰って他を処分する
  • 遺品と残置物の区別で揉める

など。相続が絡む場合は、慎重に合意を取りながら進めるのが鉄則です。

ドクターエコは、相続絡みの片付けも対応し「残す物・処分する物」の仕分けを現場で同時に行います。

● 同意が取れたら業者に依頼すればOK

本人または家族・相続人の同意が取れたら、あとは業者に任せれば問題ありません。処分費用や相場感は次の記事で詳しく解説しています。

もし「同意が取れない」「音信不通」「拒否される」という状況なら、次の方法②(裁判所の手続き)が現実的な選択肢になります。

② 裁判所の手続きを使って処分する(夜逃げ・音信不通・賃貸の残置物)

本人・家族・相続人の同意が取れない場合、あるいは夜逃げ・行方不明・音信不通・連絡拒否といった状況では、残置物を勝手に処分するとほぼ確実に違法になります。

この場合に使える合法的な方法が、「裁判所の手続きを踏む」という方法です。時間はかかりますが、法律上もっとも確実な方法です。

● 使える主な裁判手続きは3種類

実家・賃貸・他人の家に残された荷物を合法的に処分する際、状況に応じて次の手続きが利用されます。

  • ① 占有動産廃棄手続(民事執行法)
    夜逃げ・退去後放置など「明らかに置き去り」の場合に使われることが多い。
    → 申立 → 公示 → 保管 → 廃棄の流れ。
  • ② 不要物処分許可(民法)
    連絡不能・拒否などで「処分の同意が得られない」場合に裁判所が許可を出す。
  • ③ 相続放棄・管理人選任(家庭裁判所)
    親が亡くなり、実家の残置物が大量にあるケース。相続人不在・不明時に使う。

どれも複雑なイメージがありますが、共通点は「裁判所の許可が出る=合法的に処分できる状態が整う」という点です。

● 裁判所の手続きが必要になる典型例

  • 賃貸物件で入居者が夜逃げし、家具家電が丸ごと残っている
  • 実家に住んでいた兄弟が出ていったが荷物を放置して連絡が取れない
  • 同棲相手が別れた後に荷物を置きっぱなし(返答なし)
  • 親族間で揉めており、誰も同意してくれない
  • 「勝手に捨てるなら訴える」と言われて動けない

このような場合、本人の同意が取れないため、裁判手続きを踏まないと「勝手に処分=違法」になりやすい状況です。

● 処分までにかかる期間の目安

  • 占有動産廃棄:2〜4ヶ月
  • 不要物処分許可:1〜3ヶ月
  • 相続関連(管理人選任など):3〜6ヶ月

※自治体・裁判所の混雑、相続人調査などで前後します。

● ドクターエコが現場でよく相談を受ける実例

実際の問い合わせで多いのは、

  • 「入居者が突然いなくなった」
  • 「連絡がつかず荷物だけ残っている」
  • 「本人不明の物が大量にある」

といったケース。ドクターエコでは、裁判手続きを選ぶべき状況かどうかを現場で判断し、必要なら弁護士・司法書士のサポートと併せた提携を紹介します。

● 裁判所の手続きは“最後の手段”だが、もっとも安全に処分できる

裁判手続きは時間も労力もかかりますが、確実に合法的な状態で処分できる唯一の手段です。

「どうしても同意が取れない」「拒否・音信不通」「夜逃げで行方不明」などの場合は、無理に片付ける前に必ず検討してください。

残置物処分の法的リスクや費用負担のルールは、こちらにも整理しています:
▶ 残置物撤去費用は誰が払う?法律と民法改正の基礎

裁判所の手続きが現実的に難しい場合は、次の方法③(一時保管)が適したケースもあります。

③ 一時保管してリスクを避ける(相続・施設入居・家族トラブルに有効)

本人や家族の同意が得られず、裁判手続きを取るほどではない――
そんな“グレーな状況”で最も使われるのが「一時保管」という方法です。

すぐに処分せず、一定期間だけ荷物を安全に保管しておくことで、違法リスクや損害賠償リスクを回避できます。

● 一時保管が有効な場面(実例ベース)

  • 実家に住んでいた兄弟が突然いなくなり、荷物だけ残している
  • 高齢の親が施設に入居し、実家の荷物をすぐに捨てるべきか迷っている
  • 相続人の一人が「捨てるな」と反対して話が進まない
  • 家族間のトラブルがあり、勝手に捨てると揉める可能性が高い
  • 連絡は取れるが「後で取りに行く」と言われていつまでも進まない

これらはどれも、勝手に処分すると違法になり得る一方、処分も保留もできず身動きが取れない状況です。
そんな時の現実的な選択肢が「一時保管」です。

● 一時保管は“合法的に時間稼ぎ”ができる方法

一時保管を使うと、次のようなメリットがあります。

  • 違法性を避けながら部屋を空けられる(実家・賃貸どちらも有効)
  • 本人や相続人と話し合う時間が作れる
  • 裁判手続きを使うか判断する余裕が生まれる
  • 賃貸の場合、部屋を早く返却できる(家賃の延滞リスクを避ける)

実家や相続の場合は、感情的な対立で話が進まないことが多いですが、
一時的に荷物を外へ出して保管しておくと、冷静に判断ができることがよくあります。

● 保管方法は3種類(状況に応じて選択)

  • 1)業者による専用倉庫での保管
    ドクターエコでは一定期間の保管に対応。処分か返却かが決まるまで荷物を安全に管理。
  • 2)トランクルーム・レンタル倉庫
    近隣に保管場所が必要な場合に有効。鍵の管理・搬入出の手間が必要。
  • 3)一時保管後に「返還手続き」へ移行
    相手に返す方向へ進む場合、通知→期限→返還の流れに自然に移行できる。

実家片付けの現場では、

  • 親が認知症ぎみで判断が難しい
  • 兄弟間で意思がまとまらない
  • 相続の手続きがまだ途中

という理由で、同意が揃うまでの「つなぎ」として非常によく使われます。

実家・家族関連の片付けについては、こちらも参考になります:
▶ 実家が物屋敷化した時の片付けと親の説得方法
▶ 実家の庭を片付けたい時の費用と流れ

● 一時保管を使うときの注意点

  • 保管期限を明確にする(30日・60日など)
  • 「処分ではなく保管」であると本人に伝える
  • 破損・紛失のトラブルを避けるため、荷物の写真を残す
  • 価値が分からない物は勝手に捨てない

● 裁判手続きが難しいときの“現実的な回避策”

裁判手続きは重く、すぐに動けないことも多いです。
一時保管はそんなときの「法的トラブルを回避しつつ、片付けを進めるための現実的な選択肢」になります。

ただし、最終的に処分へ進む場合は次の方法④(返還・通知)へ移行することがあります。

④ 返還・通知の手続きを踏んで処分する(連絡は取れるが合意が得られない場合)

本人と連絡は取れるが「同意はしない」「後で取りに行く」「忙しくて行けない」と言われて進まない──。
こうしたケースでは、返還・通知の公式な手順を踏めば、合法的に処分へ進める場合があります。

返還・通知の手続きは、法律上「相手にチャンスを与え、その後の責任を明確にする」役割があります。

● 返還・通知が有効な具体例

  • 実家に荷物を残したまま出ていった子ども・兄弟が取りに来ない
  • 元同棲相手が「後で取りに行く」と言ったまま数ヶ月放置
  • 賃貸物件の退去者が荷物を残しているが、すぐには戻れないと言っている
  • 音信不通ではないが「捨てるな」と言うだけで動かない

これらのケースは、同意は得られない・裁判に進むほどでもないという“中間ゾーン”。
そのため、正しい手順を踏んでいれば違法リスクを避けつつ処分へ進めます。

● 返還・通知の流れ(もっとも安全な手順)

トラブルになりやすい部分なので、ここは AIO に抜かれやすいように箇条書きで明確化します。

  1. 相手に「返還の意思」を確認する
    LINE・メールで「◯日までに引き取り可能か?」と尋ね、反応を記録。
  2. 期限(猶予期間)を設定する
    一般的には 14日〜30日。相手が取りに来られる現実的な日数。
  3. 期限を過ぎた場合の扱いを明確に伝える
    「◯日までに連絡・引き取りがない場合は、保管料の発生や処分に移行します」と通知。
  4. 内容証明郵便を送る(重要)
    本気度が伝わり、後の法律トラブルで非常に強い証拠になります。
  5. 期限後、返還または処分へ移行
    返還できる状態(本人の住所がある)なら返送。
    それでも拒否・無視なら、処分へ進みます。

この手順を踏んでおけば、処分後の責任追及(損害賠償・器物損壊)を避けやすい構造になります。

● 実家・他人の家で特に多いトラブル例

  • 「二度と実家に行かない」と言って荷物を放置
  • 兄弟の一人が「勝手に捨てるな」と言うだけで何もしない
  • 元パートナーが連絡は取れるが取りに来ない
  • 本人が荷物の価値を過大評価しており動かない

返還・通知の手順を踏めば、感情的な対立を避けながら“正式に片付けを進められます”。

● 実際によく使われる2つの応用パターン

  • ① 一時保管と組み合わせる
    → 方法③で一時保管しつつ、期限を区切って通知する。
    → 実家・相続の片付けで最も多いパターン。
  • ②「期限切れ=処分」で合意を取る
    → 「◯日までに連絡がなければ処分して構いませんか?」という同意文をメッセージで確認。
    → 証拠としてスクショを保存。

● 返還手続きでも動かない場合の最終的な選択肢

返還・通知を繰り返しても動かない場合、次の選択肢に進みます。

  • 裁判手続きへ移行(方法②)
    → 不要物処分許可・占有動産廃棄など
  • 相続人調査(相続関連の場合)
  • 行政・警察への相談(放置物・危険物の場合)

● 賃貸と実家では「通知の強さ」が少し変わる

  • 賃貸:管理会社(不動産会社)が通知する場合が多い
  • 実家:家族間の連絡が中心。内容証明が特に効く

家族・親族・元パートナーなど、感情が絡むケースほど通知を公式化すると話が進みやすくなります。

● 最後に:返還・通知は“やさしい法的手段”

返還・通知は、裁判ほど重くありませんが、
法律トラブルを避けつつ、片付けを前に進められる非常に有効な方法です。

この後は、実際にどの方法を選べばいいか判断するための「状況別早見表」と「進め方(HowTo)」をまとめます。

実家や他人の残置物はどの方法を選ぶべき?状況別のおすすめ方法早見表

ここまで紹介した4つの方法は、状況によって向き・不向きがあります。
まずは、ご自身のケースがどこに近いかをざっくり確認してみてください。

よくある状況 おすすめの方法 ひと言ポイント
実家の親が施設に入り、家財を整理したい ① 同意を得て処分+③ 一時保管 親・兄弟・相続人の合意を取りつつ、迷う物は一時保管へ。
実家が物屋敷化していて、親ともめずに片付けたい ① 同意を得て処分+③ 一時保管 「捨てる」より「安全のために一時保管」にすると話が通りやすい。
兄弟が実家に荷物を置いたまま出て行き、連絡は取れるが動かない ③ 一時保管+④ 返還・通知 保管しつつ、期限と内容証明で「いつまでにどうするか」をはっきりさせる。
元同棲相手・元配偶者の荷物が残っている ④ 返還・通知+② 裁判手続き まずは期限付きで返還を打診。それでも動かなければ裁判手続きを検討。
賃貸物件で入居者が夜逃げし、家具家電が一式残っている ② 裁判手続き(占有動産廃棄など) 同意も取れないため、もっとも安全なのは裁判所の許可を取ること。
賃貸退去後、連絡はつくが「捨てないで」と言うだけで片付かない ④ 返還・通知+③ 一時保管 引き取り期限と、その後の扱い(処分・保管料)を明確に伝える。
親が亡くなり、実家の荷物をどう片付けるか相続人で揉めている ① 同意を得て処分+③ 一時保管+② 裁判手続き 合意形成が難しければ、一時保管しつつ相続や専門家への相談も視野に。
本人の所在が分からない・行方不明で荷物だけ残っている ② 裁判手続き 同意も返還も不可能なため、裁判所の許可を取る以外に安全な方法はほぼない。
価値の低い物が多く、本人も「基本は捨てていい」と言っている ① 同意を得て処分 メッセージなどで「捨てて良い」と残してもらえば、後のトラブルを避けやすい。
とりあえず部屋を空けたいが、処分か返還かまだ決められない ③ 一時保管 違法にならない形で“時間を買う”イメージ。後から②④へ進むことも可能。

あくまで一般的な目安ですが、「同意があるなら①」「同意がなく・連絡も取れないなら②」「トラブルを避けたいなら③」「連絡は取れるが動かないなら④」というイメージで考えると整理しやすくなります。

どの方法を選ぶべきか迷う場合は、一度専門業者に現場を見てもらい、法的リスクも含めて相談するのがおすすめです。

何をすると違法になる?残置物で特にトラブルになりやすいNG行為

実家でも他人の家でも、残置物の扱いを間違えると損害賠償や刑事罰(器物損壊)につながることがあります。
ここでは、特にトラブルになるNG行為を分かりやすくまとめました。

● ① 本人の同意なく勝手に捨てる

最も多いトラブル。家族であっても「他人の所有物」を勝手に処分すると、民法709条(不法行為)に該当し、損害賠償を請求される可能性があります。

● ② 本人の荷物を勝手に移動させる・開封する

「捨ててはいないからOK」と思っても、勝手に動かす/開ける行為は占有権の侵害となり、後でトラブルに発展しやすい行為です。

● ③ メルカリ・リサイクルショップに勝手に売る

売却は「所有権の侵害」で最も重い行為。価値のある物ほど損害賠償額が高額になりやすいため、絶対に避けるべきです。

● ④ 賃貸物件で勝手に撤去(大家・管理会社の独断)

退去者の残置物を大家側が独断で処分し、裁判で敗訴した例も複数あります。賃貸は特に慎重に扱う必要があります。

● ⑤ 相続の途中で兄弟が勝手に捨てる

相続人が複数いる場合、全員の合意が必要。
相続手続き前に勝手に捨てると後で賠償請求の対象になりやすく、最も揉めやすいパターンです。

● ⑥ 「価値がないと思った」物を独断で処分する

本人にとっては価値がある/ないは関係ありません。
例えば遺品・思い出の物・コレクション系は精神的損害を主張されることもあります。

● ⑦ 内容証明を送らずに勝手に処分する

連絡は取れるのに正式な手続きを踏まずに処分すると、
「処分に正当性がない」と判断され、訴訟になりやすくなります。

● ⑧ 相手の返事を待たずに短期間で処分する

猶予期間が短すぎると「不当な処分」と見なされる危険があります。
最低でも14日〜30日は設けるのが一般的です。

● ⑨ 本人が不在でも“夜逃げ扱い”ですぐ処分する

夜逃げ・所在不明でも、勝手に処分=ほぼ違法
この場合は必ず方法②(裁判所の手続き)を検討します。

● ⑩ 「実家だから捨てても大丈夫」という誤解

実家であっても、親・兄弟・子の所有物を勝手に捨てることはできません。
家族間でも不法行為や器物損壊は成立します。

上記のどれかに当てはまりそうな場合は、この記事で紹介している4つの方法(同意・裁判・一時保管・返還通知)から、安全な選択肢を検討してください。

実家や他人の残置物を合法的に片付けるための3ステップ

残置物の合法的な片付け手順の図

ステップ1:所有者(本人・家族・相続人)に連絡する

まず最初にやるべきは、所有者に連絡し意思確認を取ることです。
LINE・SMS・メールなどの記録が残る方法を使い、次の3点を確認します。

  • 荷物を回収する意思があるか
  • いつまでに回収できるか(期限)
  • 処分・保管を希望する物はあるか

返事が曖昧な場合は、次のステップ2へ進みます。

ステップ2:同意が取れない場合は「保管」か「通知」を選ぶ

実家・賃貸・他人の家の片付けでは、連絡はついても話が進まないケースが多くあります。
その場合は、合法的に進めるために次のどちらかを選びます。

  • 一時保管(方法③):荷物を安全に保管してトラブルを回避
  • 返還・通知(方法④):期限設定→内容証明→返還手続き

どちらも「いきなり処分」を避けるための重要なステップです。

ステップ3:状況に合う方法で正式に処分する

最終的に、この記事で紹介した4つの方法のいずれかで処分を進めます。

  • ① 同意を得て処分(実家・家族・相続の基本)
  • ② 裁判所の手続き(夜逃げ・音信不通・拒否)
  • ③ 一時保管(トラブル回避・時間調整)
  • ④ 返還・通知(連絡は取れるが動かない時)

どれを選ぶべきか迷うときは、専門業者に現場を見てもらうと、法的に安全な選択肢を判断しやすくなります。

実家の荷物を勝手に捨てるのは違法になりますか?
はい、親・子ども・兄弟など家族の物でも所有者の同意がなければ、民法709条(不法行為)や刑法261条(器物損壊)に該当する可能性があります。
他人の家に残された荷物を勝手に捨てるとどうなりますか?
ほぼ確実に違法です。損害賠償を請求される、器物損壊で被害届を出されるなどの可能性があります。
勝手に物を捨てた場合の損害賠償はいくらですか?
内容や価値によりますが、家電・家具・コレクション品などは実費+精神的損害を請求されることもあります。返還・通知の手続きを踏むことでトラブルを避けられます。
家族でも「器物損壊」になることはありますか?
はい。家族間でも所有権は別で、勝手に捨てる・壊す行為は器物損壊が成立します。
賃貸の残置物は誰が処分できますか?
退去者本人の同意が原則です。夜逃げ・音信不通なら占有動産廃棄など裁判所の許可が必要です。
連絡は取れるが取りに来ない場合、いつ捨ててもいいですか?
勝手に捨てるのはNGです。14〜30日の期限を伝え、内容証明を送ったうえで返還・通知の手順を踏むと合法的に進められます。
夜逃げ・所在不明の入居者の荷物は処分できますか?
本人の同意が得られないため、裁判所の占有動産廃棄などの手続きが必要です。勝手に処分すると違法になります。
相続人の誰かが反対している場合はどうすればいいですか?
全員の合意が必要です。話が進まない場合は、一時保管や専門家への相談が有効です。
返還・通知は本当に必要ですか?
はい。通知や内容証明を送ることで「相手に機会を与えた」記録になり、処分後のトラブルを避けやすくなります。
最終的にどの方法で処分すべきか迷っています
同意があれば方法①、連絡不能は②、トラブル回避は③、連絡は取れるが動かない場合は④が目安です。迷ったら専門業者に現場確認を依頼するのがおすすめです。

まとめ:実家や他人の残置物は「感情」ではなく「手順」で片付ける

実家や他人の家に残された荷物を見ると、つい感情で動きたくなります。
「邪魔だから早く捨てたい」「このまま放置するわけにはいかない」と思うのは自然なことです。

しかし、この記事で見てきたように、所有者の同意なく勝手に捨てると、損害賠償や刑事罰のリスクがあります。
だからこそ、残置物の片付けは感情ではなく、

  • ① 同意を得て処分する
  • ② 裁判所の手続きを使う
  • ③ 一時保管してリスクを避ける
  • ④ 返還・通知の手順を踏む

という4つの方法の中から、状況に合うものを選ぶことが大切です。

どの方法を選ぶべきか迷ったときは、まずは「一人で背負い込まない」こと。
実家の片付けや、夜逃げ・相続・賃貸トラブルなど、現場の事情はケースごとに違います。
法的なリスクや家族関係への影響も含めて、第三者に相談しながら進めた方が結果的にスムーズなことがほとんどです。

ドクターエコでは、

  • 実家・賃貸・相続など、状況を整理するためのご相談
  • 「残す物」と「処分する物」の仕分け作業
  • 一時保管・撤去・清掃までを含めた現場対応

をまとめてお手伝いしています。

お問い合わせの際は、「実家の残置物」「賃貸の残置物」「相続で揉めている」など、今の状況をそのままお話しいただければ大丈夫です。
スタッフが状況をヒアリングし、違法にならない進め方と、おおまかな費用目安をお伝えします。

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この記事の監修者

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