2023年の世界人口の歴史的な転換期を迎えてから2年がたち、2025年はどうなったのでしょうか?
というのも、2023年には1000年も世界人口数1位を維持してきた中国が、なんとインドに抜かれて世界2位に転落、そして世界人口が史上初の80億人を突破したからです↓
データ出典:United Nations (2024 revision)、Wikipedia「List of countries and dependencies by population (United Nations)」
【最新】世界人口の推移2020〜2025年にかけて
世界人口は驚くべきスピードで増加しており、2050年には、なんと100億人に達するというデータも国連から発表されています。
下のグラフで見てもわかりますが、1990年以降、キレイに右肩上がりが続いています。
参照資料:World Population Prospects
パンデミックやロシア・ウクライナ戦争、最近ではイスラエルとパレスチナ、イランの戦争もありましたが、それでも世界的に見れば人口は増え続けています。
グラフだとわかりにくい人口と増加率を見やすくするために一覧表にしてみました。
西暦 | 世界人口 | 増加率 |
1990 | 53億2700万 | 2.09% |
1991 | 54億1400万 | 1.63% |
1992 | 54億9800万 | 1.55% |
1993 | 55億8100万 | 1.51% |
1994 | 56億6300万 | 1.47% |
1995 | 57億4400万 | 1.43% |
1996 | 58億2400万 | 1.39% |
1997 | 59億500万 | 1.39% |
1998 | 59億8400万 | 1.34% |
1999 | 60億6400万 | 1.34% |
2000 | 61億4300万 | 1.30% |
2001 | 62億2200万 | 1.29% |
2002 | 63億100万 | 1.27% |
2003 | 63億8100万 | 1.27% |
2004 | 64億6100万 | 1.25% |
2005 | 65億4100万 | 1.24% |
2006 | 66億2300万 | 1.25% |
2007 | 67億500万 | 1.24% |
2008 | 67億8900万 | 1.25% |
2009 | 68億7200万 | 1.22% |
2010 | 69億5600万 | 1.22% |
2011 | 70億4100万 | 1.22% |
2012 | 71億2500万 | 1.19% |
2013 | 72億1000万 | 1.19% |
2014 | 72億9500万 | 1.18% |
2015 | 73億7900万 | 1.15% |
2016 | 74億6400万 | 1.15% |
2017 | 75億4700万 | 1.11% |
2018 | 76億3100万 | 1.11% |
2019 | 77億1500万 | 1.06% |
2020 | 78億4000万 | 0.98% |
2021 | 79億0900万 | 0.87% |
2022 | 79億7500万 | 0.83% |
2023 | 80億4500万 | 0.88% |
2024 | 81億1900万 | 0.87% |
2025 | 82億3200万 | 0.85% |
※99万以下は切り捨て。
2020年に入り増加率は1%を切り、2021年には0.9%を切り0.8%台となっていますが、2024年〜2025年にかけては、
毎年日本人の人口と同じだけ、世界の人口が増えることになりそうです。
日本からみると嬉しい悩みに見えてしまったりもするかもしれませんが、人口問題は増加し過ぎても貧困や飢餓など新しい問題を引き起こします。
それでは、世界の人口ランキングを見ていきましょう。
日本は長年TOP10を維持してきましたが、メキシコに抜かれ、さらにはエチオピアにも抜かれて12位にランクダウンしました。
12位 日本 1億2300万人
データ参照:Demographics of Japan – Wikipedia
2020年には11位をマークしていた日本ですが、エチオピアに抜かれて12位に。
2025年の出生数は65万人になり70万人を割った2024年に引き続き減少をたどっています。
国連の推測によれば、2030年の人口は1億1958万人となり、1億2000万人を下回って世界ランキングは15位に。
人口が減るに従って、特に過疎地でのインフラの維持が難しくなってきています。都市部でも地盤落下がニュースでも報道されはじめインフラ維持の難しさが懸念されています。
10位 エチオピア 1億3500万人
参照資料:World Population Prospects
2000年には人口6000万人だったエチオピアが1億3500万人となり、初めて10位にランクイン。アフリカで2番目に人口の多い国でもあります。
GDPも2000年の15億円から2025年は250兆円へと大躍進しています。GDPの3割、労働者の8割がコーヒー栽培に従事しており、大きな産業ですが、工業化や金融政策も発展し、毎年6%以上も経済発展しています。
9位 ロシア 1億4600万人
参照資料:World Population Prospects
2008年から2020年までの間、ロシアの人口は増加を辿っていましたが、コロナとウクライナとの戦争などの影響もあり、2020年以降はゆるやかな人口減少が見られています。
経済面においては、SWIFTから締め出されたり、中央銀行の資産を凍結されたり、輸出入にも規制をかけられていますが、GDPが初の200超ルーブル(371兆円)を突破しています。
8位 バングラデシュ 1億7500万人
参照資料:World Population Prospects
バングラデシュの人口は1990年代以降はほぼ右肩上がりで推移しています。毎年200万人もの人口が増えており、これは札幌の人口200万人に値します。
またバングラデシュのGDPは70兆円ほどであり、それでも毎年4%以上の成長率を誇っているので驚異的です。
人口ピラミッドも若年層が多く高齢者が少ない富士山型、国民平均年齢が25歳と若いのでまだ成長の伸びしろがあることがわかります。
7位 ブラジル 2億1300万人
参照資料:World Population Prospects
ブラジルの人口増加率は、4%前後を維持しており、毎年約80万人が増えています。このままだと2041年に、2億2000万人まで増えて、それをピークに徐々に減少すると予想されています。
ただし2020年にはピークが2047年と言われていたので、もしかしたらピークはもう少し早くくるかもしれません。またブラジルのGDPは320兆円で、そのうちの58.9%がサービス業によって支えられています。
6位 ナイジェリア 2億3700万人
参照資料:World Population Prospects
あまり知られていませんが、ナイジェリアは人口の増加と経済発展が著しく、人口、GDPともにアフリカ大陸で最大の国です。なんと2050年には現在の2倍以上の4億人に達すると予測されてもいます。
石油、ガスなどの資源も豊富で、さらにそれらの加工業も発展することが見込まれています。一方で国民の40%が極度の貧困状態(1日300円未満で生活)にあるという報告もされています。
爆発的な人口増加ゆえに、制度やインフラなどが整っておらず、治安も安定しない問題も肥大化していきそうです。
5位 パキスタン 2億5500万人
参照資料:World Population Prospects
2024年比で約400万人も増えているのがパキスタンです。しかし、1990年の出生率は女性1人当たり6.02でしたが、2016年には3.48と40%以上も減少。
2024年度の出生率は3.14%とさらに減ってきています。ではなぜ、年間400万人もの人口が増えてきているかというと、移民を受け入れているからです。
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)によれば、2017年の難民受け入れ国ランキングでは、パキスタンがトルコに次いで2位となりました。
加えて、パキスタンは人口の45%つまり1億人以上が貧困層で、貧困問題も深刻です。パキスタンは違法臓器売買の中心地と言われていますが、臓器を提供する人々はほとんどが貧困層。
借金返済のため、家族のために自ら臓器を売る人もいるそうです。
4位 インドネシア 2億7000万人
参照資料:World Population Prospects
2024年度の出生数は脅威の600万人と推定されています。日本の出生数は2024年に70万人を切ったので、日本のおよそ8倍もの子どもが生まれていることになります。
人口のピークの予想は2059年で、3億2000万人を超えることが予測されています。それでもGDPは210兆円と他のランキング上位国と比べると少なめで、まだまだ伸びしろがあるように見えます。
3位 アメリカ 3億2900万人
参照資料:World Population Prospects
移民国家としては世界最大数の人口数を誇るのがアメリカです。それでも出生率は2010年から2.0を切るようになり、2018年には史上最低値の1.7となりました。
2025年の出生数はさらに下回り1.6に、人口は0.8%(約260万人)増えているのは、移民を積極的に受け入れているからです。
2024年の選挙では不法移民への取り組みを厳しくするトランプ大統領が当選し、移民政策も一度厳しくなる見通しもあります。移民国家の代表格として、どのように人口政策をしていくのか期待されています。
またGDPは4500兆円と世界1位であることにはかわりません。
2位 中国 14億1600万人
参照資料:World Population Prospects
世界一の人口を持つ国と知られていた中国ですが、2021年にピークをむかえ、2023年にはインドに抜かれて2位となりました。人口の減少はまだ緩やかですが、2022年は85万人減、2023年は200万人減、2024年は140万人減となっています。
出生率は日本の1.15を下回り、1.1とされています。それでも人口が多いので出生数は950万人と日本の68万人の10倍以上も異なります。
GDPはアメリカに次いで世界2位ですが、若者の失業率は16%前後と高く、消費低迷にもつながっているというニュースもあり、国民のやる気がなくなっているという報道もされています。特に「寝そべり族」という最低限の労働をして、その日暮らしをしているという若者も多いようです。
14億人という歴史上ない人口から起こる高齢化問題やインフラの維持など、どのような対応策がとられるのか注目されています。
1位 インド 14億6300万人
参照資料:World Population Prospects
人口の統計が取られて以来、中国が世界人口1位でしたが2023年にインドが抜き歴史が変わりました。歴史的に見ると西暦550〜1000年の間はインドが世界人口で1位だったようですが、その後は1000年間にわたり、中国が1位に君臨していました。
ということで、1000年ぶりに歴史が変わったということになります。実際にiphoneの製造拠点が中国からインドに移転しています。
大きな理由としては
- インドでのiphoneのシェア率拡大(現在は9%程度、売上の25%程度がiphone)
- 高騰化した中国の人件費からの脱却
などが主な理由とされていますが、iphoneだけではなく、Samsung、Xiaomi、Vivoなどの国際ブランドがインドへの工場移設をしており、IT業界としてもインドが盛り上がることに間違いはなさそうです。
まとめ「世界情勢に大きな変化も…」
2020年からの大きな変化は、なんと言ってもインドが世界の1位になったことでしょう。
人口が多いことだけではなく、世界的に有名な企業の多くにインド人の方がいます。
Google / Alphabet CEO
Sundar Pichai(スンダー・ピチャイ氏)
Microsoft CEO
Satya Nadella(サティア・ナデラ氏)
IBM CEO
Arvind Krishna(アービンド・クリシュナ氏)
Adobe CEO
Shantanu Narayen(シャンタヌ・ナラヤン氏)
FedEx CEO
Raj Subramaniam(ラジ・スブラマニアム氏)
それから世界銀行の総裁もインド人であるAjay Banga(アジェイ・バンガ氏)です。
これからはインドがより注目されるので、どのような発展をもたらすのか、とても楽しみですね。
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- 日本
UN World Population Prospects 2024 Revision “Total population (both sexes combined) by country”
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- 日本
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- エチオピア
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Wikipedia “Demographics of Ethiopia”
https://en.wikipedia.org/wiki/Demographics_of_Ethiopia
- エチオピア
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- ナイジェリア
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Countrymeters.info “Nigeria population history” (2020)
https://countrymeters.info/en/Nigeria
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- ナイジェリア
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- バングラデシュ
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Wikipedia “Demographics of Bangladesh”
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Wikipedia “Demographics of Pakistan”
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- パキスタン
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Wikipedia “Demographics of Indonesia”
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- 中国
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- インド
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- インド